生兵法(なまびょうほう)は大怪我(おおけが)のもと/生兵法は大疵(おおきず)のもと

「おい、君。その程度の腕前でチャンピオンに挑戦するなんて無謀だよ!?」
といった状況の時に使われる、ことわざ。


生兵法は大怪我のもと/生兵法は大疵のもと」とは、

十分に身に付いていない知識や技術、生半可な学問という意味で中途半端に武術をおぼえた者は、それを頼りにけんかをするので、かえって大怪我をする。未熟な知識やうろ覚えの技術で軽率に物事を行うと大失敗をするものだ、
という戒めのことわざです。

起源は1638年刊の、政治論や道徳論などについても記されている儒教思想を説いた書、「清水(きよみず)物語」の中の言葉に由来します。
あまり聞き慣れないですが、誰もが起こしてしまいがちなことわざですね。

さて、英語の場合、17世紀の英国の詩人、アレキサンダー・ポープの言葉に由来します。
A little ( bit of ) knowledge is a dangerous thing.

knowledge の代わりに learning を使った
A little learning is dangerous thing.
(少しばかりの学びは危険なものだ。)

他に、
Crude tactics are the source of grave injury.
(未熟な戦術は重大な怪我のもと。)

Zeal without knowledge is a runaway horse.
(知識無き熱意は暴走する馬のようなものだ。)
zeal : (名詞)熱意、情熱

という関連表現もあります。

怪我をしないで済むように、深い知識を身に着けておきたいですね。

転石(てんせき)苔(こけ)を生(しょう)ぜず

西洋のことわざ“A rolling stone gathers no moss.” の訳語ですね。
「転石(てんせき)苔(こけ)を生(しょう)ぜず/(転がる石に苔は生えない)」。

私たち日本人は、このことわざの相反する二つの意味をシチュエーションによって使い分けますよね。
その1) 活発に活動している人は時代遅れにならない。
その2) 転職や転居を繰り返す人は、地位や財産を築けず大成しない。

その2) のネガティブミーニングとしてこのことわざを用いるのは日本人ならではのようなんです。
私たち日本人は「石の上にも三年」ということわざにもあるように、我慢を美徳とするところが少なからずありますよね。

一方、語源の“A rolling stone gathers no moss.” を使う西洋の人々にとって、調べたところによると、アメリカ人とイギリス人では多少異なるようで、完全にポジティブな意味しか持たないアメリカ人に対し、イギリスでは時としてこのことわざにネガティブな意味を持たせることもあるのだそうです。

そこで当校のアメリカ人講師とイギリス人講師に直接確かめてみました!
結果は二人ともに「ポジティブな意味しかないよ~!」とのことでした。

特にアメリカ人講師からは「アメリカ人はよく転職や、引越しをするけど、よりよい所を求めるためにチャレンジするのは大事なことだから全くもってポジティブだよ!」と言葉が続きました。

我慢や忍耐よりも挑戦することに重きを置く・・・ 
ことわざにも東西の違いが感じられますね。
たしかに、かの有名なベンジャミン・フランクリンも、“Do not fear mistakes.(失敗を恐れるな)”と言っています。
冒険をしなければ何も手に入らない、という意味のことわざは日本にもあります。
「虎穴(こけつ)に入(い)らずんば虎子(こじ)を得ず」。
英語では、“Nothing venture, nothing have.“
また、少しマイナーではありますが「枝先に行かねば熟柿(じゅくし)は食えぬ」なんてことわざもあります。
こちらを英語で表現したものには、“No pain, no gain.(痛みなくして得るものなし)”
“You can't make an omelette without breaking eggs. (卵を割らずにオムレツは作れない)”
などがあるようです。

忍耐することも、冒険することも、大切であるのには変わらないようです!

ローマは一日にして成らず

前回ご紹介しました「雨垂れ石を穿つ/点滴石を穿つ」の類義でもある
ローマは一日にして成らず
大事業は長年の努力なしに成し遂げることはできないというたとえですね。



“ローマ”とあるように実は英語のことわざが元になっています。
“Rome was not built in a day.”

人類史上最大最強の反映を遂げたかのローマ帝国も、築くまでには約700年もの歳月を費やし、長い苦難の歴史があった・・・
決して短期間で完成するものではないということですね。

ちなみに同義で日本人の私達に、より馴染み深いことわざといえば、
千里(せんり)の道も一歩から千里の行(こう)も足下(そっか)より始まる
があります。

こちらの原文は中国の『老子(ろうし)』にあり、
「九層(きゅうそう)の台(うてな)も塁土(るいど)より起こる」
で、九階建ての立派な建物も積み重ねたわずかな土より始まるのだ、ということです。
紀元前500年の周の時代も、ローマ帝国も、まさに一日にして成らず!

ところでこの“Rome”を含むことわざですが、他にも良く知られている物としては、
先ず、“When in Rome, do as the Romans do.
直訳すると、ローマにいる時は、ローマの人々と同じくふるまえ。
こちらの起源はラテン語の
“Cum fueris Romae, Romano vivito more, cum fueris alibi, vivito sicutibi.” の前半部分の英訳にあります。
日本語のことわざでは「郷(ごう)に入(い)っては郷に従え」ですね。
風俗や習慣はそれぞれの地方で異なるから、人はその住んでいる土地の慣習に従うのが良い。
また、ある集団に属したら、その集団のやり方に従うべきだ、という教えですね。

次に“All roads lead to Rome.
日本語では「すべての道はローマに通(つう)ず」ですね。
ローマ帝国の全盛時代には、世界各地からさまざまな道がローマに通じていたことから、意味は
1)ひとつの真理はあらゆることに適用される。
2)真理や目的に達する手段は一つではなく、いくつもあるものだ、ということのたとえです。
ラテン語のことわざ“Omnes viae Roman ducunt.” の英訳であり、フランスの詩人、ラ・フォンテーヌの寓話から出た言葉でもあります。

雨垂れ石を穿つ(うがつ)

語学学習中の皆さま、継続は力なり!
と言ったもので習得には日々の予習・復習が欠かせませんよね。
たとえほんの数分でも毎日復習することが記憶の定着化につながります。

「雨垂れ石を穿つ」
まさに、このことわざ通りで、水のしずくでも長い間には石に穴をあけるように、
わずかな力でも根気よく努力すれば、最後には成功するたとえで、
起源は中国の「漢書(枚乗伝)」にあるようです。



英語での表現は、“Constant dropping wears ( away ) the stone.”
意味は“水滴もたえず落ちていれば、石もすり減ってしまうものだ”となります。

wear away は、「すり減る」という意味があります。

日本語の「雨垂れ石を穿つ」を直訳すれば、
Dropping can drill a hole in the stone.

となってもよさそうですが、wear away を用いることで
(徐々に)積み重なっていく、という内容がより的確に表現されています。

wear は、もちろん“(服を)着る”、という意味がありますが、活用の幅の広い基本動詞の一つで、
・wear away ~を積み重ねて悪くなる。
(例:Her 3 children are wearing away her patience 我慢を重ねる )

・wear off ~(影響/効能)が徐々になくなる
(例:The effects of the alcohol wore off.アルコールの酔いが徐々に消えた。)

・wear out ~(多くの使用により)薄くなる、使えなくなる。
(例:Batteries wear out quickly. 電池がすぐに切れる。 )

・wear ~ down ~を疲れさせる/消耗させる。
(例:Late night shifts wear her down. 彼女を疲れさせる )

(服を)繰り返し着ると、ボロボロになる(疲れてくる)・・・

とイメージするとこれらも覚えやすいのではないでしょうか。

「雨垂れ石を穿つ/点滴石を穿つ」、小さな積み重ねがやがて大きな結果へつながる、
継続は力なりということで「塵(ちり)も積もれば山となる」や、「ローマは一日にして成らず」も類義としてよく使われることわざですね。

備えあれば憂いなし

“降水確率50%”
50%だし、まぁいいか!
と雨傘を置いて出かけたら案の定、雨に降られてしまう・・・。
「備え有れば患い無し」。
普段から何か起きた時のために準備しておけば、いつでも心配はないということですね。



ことわざの起源は中国の故事で、かの有名な孔子(こうし)が編纂したと伝えられる書経(尚書ともいう)
にあります。
なんと、紀元前600年頃に成立! 昔も今も変わらぬ教えですね。

英語ではどのようなフレーズがあるのか、調べてみました。
“Cross the stream when it is the shallowest.”

直訳すると、
『最も浅いところで川を渡れ。』ということで、
無理は禁物という意味で「用心に怪我無し」に当てはまりそうですね。

そして、
“Look before you leap.”
も、よく使われるようです。
『跳ぶ前に見よ。』
シンプルですね。こちらは「転ばぬ先の杖」でしょうか。
leapは跳ぶ、跳びはねる、の意味であり、jumpの類義語ですが、
jumpよりもよりもっと、パッと跳びはねる、サッと前に行くといったニュアンスがあります。
いきなりではなく、少し立ち止まって見よ(考えよ)と伝えるために適した単語ですね。

もうひとつ、
“Chance favors the prepared mind.”
直訳すると
『幸運は備えをした心を好む』、まさに「備え有れば患い無し」ですね。
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