日本人にとってなかなか理解が難しい冠詞。
正直、a とかtheとか、無くてもいいじゃね?
と思ったりしますが、あると無いのでは意味が違ってくるほど、大切な品詞なんです。


<<世の中にたくさんあるうちの一つには “a/an”>>
“a/an” は数えられる名詞の前につきます。そして、一つの(one)に置き換えられる物です。

数えられる名詞としては、
apple = りんご
book = 本
dog = 犬

I have a dog. (犬を(一匹)飼っています。)

<<「あれね!」と言えるものには”the”>>
「ねぇ、あれ取ってよ。あれ!」
「あぁ、あれね。はいどうぞ!」
話し相手と指しているものが同一の物であれば、”the” を使います。

A: 今晩、何か映画見ようかな~。
I feel like watching a movie tonight.

B:へぇ~、いいやん.
Oh, that’s good! 

この前、「〇〇〇〇」を見てめっちゃ面白かったで。
I watched 〇〇〇.  It was really good.

--- 次の日 ---

B:映画観た?
Did you see the movie last night?

A: 観たで!
Yes, I did.

Did you see the movie last night?
直訳すると、「昨晩、映画観た?」になりますが、意味としては、「昨晩、話していたあの映画を見ましたか?」というニュアンスになります。

<<世界に一つだけのthe>>



この世の中に一つしかないものには the が付きます。
よく例で出されるものとしては、
「太陽」= the sun
「アメリカ大統領」 = the president of the United States of America
(歴代はたくさんいますが、現大統領は一人しかいませんね)
そのため、最上級を示す時、the biggest country (一番大きな国)の様に ”the” が付きます。

<<冠詞がないと意味が変わる事も>>
飛行機の中で、食事の時間に・・・
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CAさん:Beef or chicken? 
牛肉料理と鶏料理とどちらがよろしいですか?

乗客  :鶏料理をください。
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A) Can I have chicken, please?
B) Can I have a chicken, please?
どちらで答えますか?

正解は A) 

Can I have chicken? → 鶏肉料理をもらえますか?
Can I have a chicken? → 鶏を一羽もらえますか?

最後に冠詞によって意味が違ってくる事を示す例として、出される英文を紹介します。


I like dogs.   → 私は犬好きです。

I like a dog.  → 私は犬が一匹好きです。
「なんで一匹だけ好きやねん!」とツッコミを入れた人、正解です。
文法としては問題ない文章ですが、意味が伴わない文章になります。

I like the dog. → 私はあの犬が好きです。
文法は合っていますが、会話によっては「あの犬ってどの犬?」となる可能性もあります。
”the” がつくことにより、犬を特定することになり、「どんな動物が好きですか?」という質問の返事としては間違っています。
例えば、I like the dog with a long fur.  (毛が長い犬/犬種が好きです。)
I really liked the dog that my parents had. (両親が飼っていた犬が大好きだった)
と犬を特定させると、意味をなします。
最後に、

I like dog. → 犬のお肉が好きです。
となるのでご注意を!

ちなみに、数えられる名詞で、”a” も “the” も複数の”s” もつかない名詞が登場するのは、「辞書」と「図鑑」と意識して冠詞を使ってみましょう。